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「…ぶ…ちょ…ぉ?」
トロリと今にも融けてしまいそうな女の瞳が俺を見つめる。
頭の中では仮面を纏った俺が激しく暴れているというのに身体が言うことを全く聞いてくれなくて、もう一度その熟れた唇を塞いでしまった。
絡み合う熱が俺の中に眠らせた男の部分を呼び起こそうとする。
奪われたくない…もう二度と…。
いや、違う。この子は冴子じゃない。
それでも俺の唇は全く三島葉月から離れることが出来なかった。
「ちょ…楠田部長!」
慌てて止めに入った黒田君の声で、ようやく我に返る。
…俺は…いったい何をしてるんだ───。
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