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慌てて自分から引き剥がした葉月は、何が起こったのかさえも分からないかのように呆然と俺を見つめていた。
「飲み過ぎ…ですか?」
呆れたように笑った黒田君に、俺は何も答えないままグラスに残っていたビールを一気に飲み干す。
「楠田部長って…」
何かを言いかけた三浦晴香に俺はまた仮面を纏って笑みを見せた。
「三浦さん、アタシと葉月ちゃんは男女の関係なんて安っぽいものじゃないの。
悔しかったらアンタもそういう仲間のひとりやふたり作ってごらんなさいよ」
矛先を完全にすり替え三浦晴香に投げつけた俺の挑発で黒田君は気まずそうにビールを口に運ぶ。
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