Act.28 Side Ayumu

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黒田君が津川映見との同棲解消をした時から今まで、彼がどんな女を抱き、どう利用して行こうとそれは同じ社会の中で生き抜く男として理解できない訳ではなかったし、気にもならなかった。 かえって営業部長が派閥の力を使って黒田君をねじ伏せようとするたびに、孤高の戦士のごとく立ち向かっていく姿には好感すら覚えていたくらいだ。 だけど…それは黒田君がずっと津川映見を守ろうとしている思いを感じていたからこそ。 しかし葉月とも彼が関係を持っていたとなると…。 まして彼が葉月に対し、津川映見に抱くものと同じ感情があるとしたら…それは立派な二股になる。 そう考えると無性に腹立たしく感じてしまう自分に戸惑う。 他人の色恋沙汰になんて全く興味もなかった俺が。 何故こんなにも心を揺らされているのだろう。
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