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「はい、どうぞ」
事務的に答えるとゆっくりと扉が開かれる。
見つめた先には、予想もしていなかった人物がドアの陰から姿を現した。
「楠田部長、少しお時間頂いてもよろしいでしょうか?」
「…別に構わないけど…。明日からカナダなのにこんな時間まで会社にいて大丈夫なの?」
俺の問いかけに企画室へと足を進めて来た黒田君はやんわりと微笑んだ。
「もう準備は終わってるので」
「そう…。それで?何か?」
どことなく不敵に見える黒田君の微笑みに警戒心を抱きながら首を傾げて見せる。
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