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決して本性を出さない俺に冴子は呆れたように肩をすくめた。
「そうやって…歩はずっと孤独に生きてくつもり？」
「アタシはこの人生、結構楽しんでるつもりだけど？」
「…もう好きにしたらいいわ。
でもSENAフーズとの共同開発が始まるまでは、あなたは部長よ。
しっかりこの会社の花形部署を守ってちょうだい」
「当然よ。
まだ瀬那川ちゃんの方の株が揃ってないからね」
笑いながら言って俺は残りのワインを飲み干した。
「じゃあ帰るわよ。
旦那さんもいるだろうし、アタシは送らないけどいいわよね」
「大丈夫よ。ちゃんとタクシーで帰るから」
不満げに口を尖らせて答えた冴子に笑みを落として俺はレストランから出た。
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