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すっかり落葉した街路樹が吹き抜ける風に揺れている。
それを見上げながらコートの襟を立てて、ため息をついた。
冴子の旦那を失脚させることが目的でこの会社の株を水面下で集め始めて早いものでもうじき5年。
最初は冴子をあの男から、そしてこの会社のしがらみから救ってやりたい一心だった。
けれどいつしかそれは少しずつ変化して、今は俺の後継である津川映見と瀬那川蓮都を守るものへと変わって来た。
それは本当の理由も言わない俺を信用して株集めに協力してくれている彼女、三島葉月の存在が大きく影響しているのだ。
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