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元々葉月と俺はウマが合うと言うか、彼女が保ってくれる微妙な距離感が俺の意識する他人との距離感と一致していた。
投げかけた戯言にもポンポンと返して来る葉月の機転の良さも、女だからって舐めるなとでも言わんばかりの気の強さも俺は嫌いじゃない。
もう誰も愛さないと心に決めた俺にとって、葉月がこの距離感を保ちつつ友人として接してくれることは、ある意味都合良かったのかもしれない。
しかし…その距離感を壊してしまったのは…自分だった。
あの夜…三浦晴香にこの感情をかき乱されたりなんてしなければ。
そして三島葉月のあんな表情を目の当りにしなければ───。
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