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そしてそれを裏付けるように、続いた沈黙を蓮都の哀しい言葉が打ち破る。
「あの人には…映見しかいないんだ」
「だけどそれは私が決めることで…」
「ごめん…まだ眠りたい。だからもう行ってくれないかな」
私の言葉を遮り、まるで突き放すような彼の声に、もう何も言えなくなった。
何故蓮都がこんなことを言うのか薄々わかってはいても、今の彼に何を言っても受け入れて貰えない気がする。
無言のまま椅子から立った私を彼の哀愁を帯びた瞳が見上げると、そのままゆっくりと瞼を閉じて行く。
この瞬間、私と瀬那川の100日ゲームは終わりを告げたのかもしれない。
深草少将の99日にも及ばないまま…。
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