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「分かった…。
だけど葉月、楠田部長がこの会社を辞めるとしても…
でもそれは葉月のせいなんかじゃない。
楠田部長が自分で考えて決めたことだよ」
「映見…」
「だけどね…もし部長がこの会社を辞めたとしても私は一生あの人の部下だって思ってる。
たとえ違う会社になっても離ればなれになっても、楠田部長が私にくれた愛情は決して消えないから。
それは葉月だって同じじゃないかな?
あの人は絶対に私たちを裏切るつもりでそんな事を言ったわけじゃないと私は思うよ」
私の言葉に葉月は俯いたまま床にポタリポタリと涙を落とした。
いつも強気だった葉月が初めて私の前で見せる涙に一瞬戸惑う。
けれどクシュッと鼻をすすった葉月は零れ落ちる涙を拭いもせずに私を見つめた。
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