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「それでも諦めきれなくて映見を抱こうとしたけど、葉月に阻止されて…俺達はそういう運命なんだなって思った」
あの時、葉月から助けてなんて電話が来なかったら…。
きっと私は友哉に抱かれ、全てから目を背けただろう……。
「それにカナダから日本に帰った時、空港にまで迎えに来ていた瀬那川君を見て…コイツどんだけ映見に惚れてんだろって思ったら笑いすらこみ上げて来て…自分の敗北を認めざるを得なかった」
「友哉…」
「だからこの全てを話して…俺は映見の前から消え、自首しようと思ってた。
だけどまさか…有坂小雪ではなく、自分の唯一の家族である亮平を傷つけることになってるなんて…」
言葉に詰まった彼は再び額に腕を乗せると小さく肩を揺らしている。
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