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しばし見つめ合った小雪さんと友哉を、私は見守ることしかできない。
そして静かな空間に友哉の声が響いた。
「以前空港でお会いしましたね…。
改めて、黒…いえ、紺野友哉と言います。
亮平の傍に……ずっといてくれてありがとう」
その言葉で小雪さんの瞳から大粒の涙が溢れ出す。
けれど彼女は気丈にその涙を拭くと、友哉に言った。
「紺野友哉さん、初めまして。有坂小雪です…。
高校の頃でしたが、紺野君からお兄さんのことは伺っておりました。
色々おっしゃりたいこともあると思いますが…今はとにかく彼の手を握ってあげてください」
真っ直ぐに友哉を見つめる小雪さんがどれほど紺野君を愛しているのか、その思いが痛いほど伝わって来る。
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