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そんな小雪さんを目を細めて見つめた友哉は、意を決したように紺野君へと歩み寄る。
それを小雪さんと共に少し離れた所から、私は静かに見守った。
眠っている紺野君を立ちつくしたまま、しばし見下ろしていた友哉がゆっくりと椅子に腰をおろし、小さく肩で息をつく。
そして友哉は包帯だらけの紺野君の頭を優しく撫でた。
「亮平……迎えに来るのが遅れてごめんな」
ポツリと吐き出された友哉の声に、私はこみ上げて来るものを抑えるので必死だった。
きっと友哉も行方不明になった紺野君をずっと探していたのだろう。
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