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渋滞の列を抜けた友哉の車は病院に向かって走り出した。
ほんの4時間前、崩れそうな自分を奮い立たせ電車に乗り込んだ駅を通り越したあたりで友哉が呟く。
「映見、ひとつだけ頼みがある」
「うん?」
助手席からそう答えながら彼を見つめると、友哉は意を決したように口を開いた。
「葉月のこと」
「…あ…うん…」
葉月から友哉との関係を聞いているだけに、いったい友哉が何を言おうとしているのかわからないまま、私は次の言葉を待った。
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