Act.32

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葉月の弟も妹も父親に殺され、寮生活をしていた葉月だけが生かされたこと。 同じように両親を失い、大学に通うためにいくつものバイトを掛け持って必死に生きていた友哉が葉月と出会った時のこと。 そして…その全てを楠田部長に打ち明けたことも。 「きっと楠田部長は葉月を丸ごと受け止めてくれると俺は思う。 だけど葉月は変に強がるところがあって、人に甘えることが苦手だから…」 「…うん」 友哉の言葉を聞きながら思う。 彼にとっては葉月も本当は大切な存在だった、そんな気がする。 そして彼はやっぱり私の思った通りの言葉を言った。
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