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こんなにも私を思い、葉月を思ってくれた友哉とやり直せばそれはそれで幸せな人生があるのかもしれない。
だけど私は蓮都を愛している。
その想いをねじ伏せて、ここから逃げるなんてもう私には出来ない。
それはカナダの夜に自分で身を持って感じたこと。
そして友哉もそれを望んではいない。
しかし友哉自身も私を思うあまりに、ひとつだけ目を背け続けたことがある。
「ねぇ、友哉」
「うん?」
「三浦晴香を…許してあげて」
「…………」
その言葉には友哉は何も返事をしないまま、ただ瞳を揺らしていた…。
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