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やがて駐車場のゲートを抜け、車庫入れを済ませた友哉が無言のまま私を見た。
その瞳の奥にある彼の決意をわかっていても、私は静かに頷くことしか出来なかった。
きっと友哉は紺野君の結末を見届けたあと、自首するつもりなのだろう。
「行こうか」
そう言って運転席を降りた友哉に私もドアを開けた。
建物に規則正しく並んだ四角い光が暗闇を明るく照らす。
夜間入口から病院の中へ入って行く友哉の背中はもう弱々しさなんてどこにもない。
迷うことなく進んだ彼はエレベーターのボタンをゆっくりと押し込んだ。
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