Act.1 Side Hazuki

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「あら?…驚かないの?」 「はい?」 「オネエよアタシ」 「個性的で素敵だと思います」 冷静に答えた津川映見に楠田部長が楽しそうに笑っている。 くっそー…やるな津川映見。 そんな私の思惑をよそに、再び楠田部長がこちらを振り向く。 「園部部長、この子うちの新入社員の津川映見ちゃん。 きっちりアタシが育て上げるから、苛めないでね」 「苛めないですよ。 楠田部長を敵に回すほど私は愚かじゃありません」 笑い合う楠田部長と園部部長。 そして鉄仮面みたいに表情ひとつ変えない津川映見。 そんな光景を眺めながら、私は苦笑いするしかなかった。 心の奥底で津川映見に静かな闘志の炎を灯しながら───。
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