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育成にも力を入れているのに、なかなかヒット作を生み出せるような人材に恵まれず、部長という役職であってもスイーツ開発をメインで業務をこなす毎日だ。
けれどそれとは対照的にこの2年で俺と冴子の環境は大きく変化している。
オネエだとカミングアウトした直後、冴子は父親の派閥に属していた、剣持(ケンモチ)という男と結婚した。
俺の大学の同期であり、冴子の元恋人である瀬那川龍都に戻ると思っていただけに俺は衝撃を受けた。
2年前、俺が冴子を手離さなければ、彼女はそんな政略的な結婚に踏み切ることはなかったかもしれないと後悔もした。
しかし、その人生を選んだのは冴子であって、俺がとやかく言うことではない。
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