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3人で並んで座った後部座席は、微妙に狭いけれど。
助手席に乗るならこのタクシーに同乗する意味がない。
「うひひひひ」
再び奇妙な笑いを零した泥酔女と、それを恐る恐る覗き込む能面女。
最高に面白いツーショットをしっかり観察しながら口角を緩めた。
「楠田部長」
「なぁに?」
「ところでこの子の家、どこか知ってるんですか?」
「知らないわよ」
「はぁっ?!」
「だから葉月ちゃんのおうちに泊めてあげて」
飄々と答えると、葉月はまた口を半開きでしばらく俺を見てから言った。
「やっぱりお持ち帰りするつもりだったんじゃないですか!」
また般若に変わった葉月に小さく笑いながら俺はシートに背中を預けた。
……やはり最高にこいつらは面白い。
裏Hundred Days第2話に続く⇒
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