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日が落ちて薄暗い校庭から熱心な運動部員達の掛け声が聞こえる。
無人だとばかり思っていたミステリー研究会の部室。暗闇の中に浮かび上がるパソコンのディスプレイに向かうカイの姿を見つけて、漣斗はギョッとして叫びそうになった。
「来てたのかよ!つか、電気くらいつけろよ!心臓に悪い」
「ああ…ごめん。珍しいな。誰もいないのって」
「カイが来る前はこんなもんだったさ。俺は文化祭の話し合い…今年はせっかく部員いるし、何かやりたいよなぁ。カイがこの事件をスパーッと解決してくれれば、どどーんと発表できるんだけど」
漣斗は教室の電灯をつけると少し離れた机に座り、「文化部 発表・展示申請書」と書かれたプリントをヒラヒラさせた。
「愛莉は?」
カイはパソコンから目も離さないし、相変わらず自分の関心事しか興味ない。
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