〈2〉カルトの陰謀と恋のライバル

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ディスプレイに禍々しい(まがまがしい)アースカラー、毒々しい原色。漣斗やシエラの位置からはまるで怪物の目玉のように見える、三色のシンボルカラーの重なり。 一度見たら忘れない。あの、カルト教団のシンボルカラー…原始仏教と自然崇拝を回帰したと言われているが、デザインとしては単体ならば美しい色をよくこれだけ醜悪に組み合わせられる、という類いのものだ。教団の悪意と闇そのもの…。 カイは悪態をつきながらパソコンと格闘していた。画面が暗転、そして再度またあの色が。 「こういうサイトだから、どんなに慎重にしていても侵入してこようとするヤツはいる…アメリカにいた時はマフィアや某国の諜報部、たぶんそんな奴らが。 だけどいつも、僕のファイアウォールの方が上だった。並の手法で下手に侵入しようとすれば反対に相手のシステムが破壊されるトラップも完璧だったし…正直、ここまでやられたのは初めてだ」 「ハッキング!?どうする気…?というか、どうしたの?」 訳がわからないながらも、漣斗が恐る恐る尋ねる。 「どうしようもないさ。シャットダウンしてメンバー全員のアカウントとデータを全て消すしか」
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