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「とにかく警視庁でも公安でもいいですから、急いで情報班を総動員してヤツの尻尾を掴んでください。とは言っても、そう上手くいかないだろうから僕は僕でやります」
「…自分で、って…どこに電話掛けて…」
「某国の諜報部員が学生時代の親友で。
正攻法でやってもどうせ国交も犯罪者引き渡し条約もない、暫定政府すらあるようなないような国のサーバーを何重にも経由してお手上げ、ってパターンでしょう。彼なら法とか外交とかそんなの気にしないルートで追えるはずです。
SDの被害は日本に留まりませんから、後日何カ国の政府から身柄引き渡しを求められるかわかりませんが…とにかく逮捕です!紅森さんも急いで!」
紅森は「何を急ぐんだよっ!ITハラスメントかよっ!」と言い捨てて事件課の部屋に入って言った。
「緋色!大変だ!」
薄暗くかび臭い警察署の階段を舞玖が駆け上がってくる。
「なんだよ、今夜じゅうに報告書上げないと都内の所轄から刺客が来るんじゃ」
「それどころじゃないっ!愛莉ちゃんは今、どうしてる!?動画サイトにとんでもない動画が!」
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