〈3〉凍える姫、眠れる龍

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『30点。ま、赤点は免除してやる。次の1分は待ってやる。続きは』 「お前が成田有理に同情してたのなら、なぜ本人を手にかけた?」 『それを解くのもお前の仕事だろう』 「……ッ!!」 「「「カイ!!」」」 ミステリー研究会の部室に、緋色と舞玖が駆け込んできた。 「今、警視庁が総動員で愛莉ちゃんの居場所を探している。 行方不明になった時間から移動可能な距離を逆算して、‐60℃…あるいはそれに準じる冷凍設備のある企業や研究施設を一斉に調べている…一筋縄じゃいかないが、コイツの正体と居場所も」 緋色が小声でささやいた。 「…いや、正体はわかっている。しかし、確証がない…」 カイがささやき返した。 「何だって!?それ、どういう…」 「愛莉ちゃんの携帯が近所で見つかったそうだよ。何か手がかりが残っていればいいが…。 今、漣斗とサイキ…じゃなかった、シエラが紅森刑事と向かっている」 「ありがとう、舞玖さん」 「だけど、この部室変わらないなあ…僕が部長してた時のまんま」 「おい、舞玖…こんな時に呑気な」 「そういや、聖帝永和の校是って『臥龍鳳雛』だっけ?警察関係はもういいから、ミステリー作家で大成するヤツとかそろそろ出てきてもいいよなぁ」 「…舞玖さん?」
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