〈3〉凍える姫、眠れる龍

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「舞玖さん、今、何て!?」 「臥龍鳳雛(がりゅうほうすう)。臥せる龍と、鳳凰の雛。ずば抜けた才がありながらまだ世に埋もれてる人物の例えだよ…ああ、でも校訓ってわざわざ気にしないか」 「チャイニーズ・ポエム!僕は何で、真面目に授業受けてなかったんだろう!」 「…漢詩の時間はみんなもれなく寝るんじゃないの?」 「僕は起きてた」 緋色が自分のパソコンを開き、捜査情報を見比べながら言った。 「海産物や食肉の加工会社、企業の研究施設…関東近辺でこんなにあるのか?もしかしたら倒産した会社の廃屋とかかもしれないな…どうやって絞る?」 「緋色に任せるよ。そうだ、アパートは二件あった!片方が『鳳雛荘』ならもう片方は『臥龍荘』!」 「確かに…そうだけど」 『黒夜叉灰、警察が騒がしいようだが、無駄足に終わりそうだな。もう降参か?』 「まさか。次は…立花里緒菜とお前の関係についてだ」
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