〈3〉凍える姫、眠れる龍

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「数オリ!数オリ!しっかりしろっ!」 「あ…ああ、漣斗?シエラ?」 「数オリ、大丈夫?愛莉は?愛莉に、何があった?」 夜がすっかり更けた、元・黒夜叉家の敷地内。 漣斗とシエラが縛られて裏庭の小屋に閉じ込められていた数オリのロープや猿ぐつわを外すのに四苦八苦していた。 「おい、そんなんじゃダメだ。貸せ」 「…刑事さん?何で?」 「住民が帰って来た、小屋から人の呻き声がする、と通報があってな。お前達は?」 紅森刑事が漣斗達に聞いた。 「愛莉のママが、GPSで愛莉の携帯を探したんです。そしたら、ここだった」 「一体何があった?和藤愛莉はどこだ!」 「わかりません…情けないですが。ここ、カイが昔住んでた家らしく、愛莉が庭に入って行こうとしてて。今は別な人が住んでるっていうから、勝手に入るのはよくないと注意しようとしました。 そしたら、いきなり後ろから気絶させられて…たぶんスタンガンか何かで。ずっと付けられていたんだと思います。どこ不注意でした…愛莉はどうなりました!?」 シエラが言いづらそうに言った。 「動画サイト観ればわかるよ…」 愛莉の携帯は、数オリの閉じ込められていた小屋から見つかったが、漣斗らが期待していたような犯人の写真や手がかりになるような通信記録は見つからなかった。
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