〈4〉命懸けの推理ショー

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「そうだ。皆川京介のアリバイは崩れる」 カイがまた、パソコンに向かって話し出した。 「祖父母の、付き添いと言っても一人で24時間一緒にいたわけじゃない。家族の一人が20~30分抜け出しても誰も不自然に思わない…例え手術中だとしてもね。 ダム湖まで行くのは無理でも、偽名であらかじめレンタカーを借り、インターチェンジ付近で立花里緒菜と合流する。 待ち合わせ場所で赤ん坊を預かり、あらかじめ頼んであった他の協力者に託すくらいのことはできる。一方、成田有理は全世帯が時差で失踪したように完璧に細工を施して鳳雛荘を後にした。 友人への不自然なメールも成田有理本人だろう。特に、佐々木家の赤ん坊が後々鑑定されることを恐れて赤ん坊の痕跡だけは不自然なほど入念に消した――自分のそれ同様にね」 カイが話している間、気温の降下が止まる。 「捜査本部から連絡は?」 「捜索隊にはまだ待機命令が出ているようです」 運転席の若い捜査員が答えた。 「待機?僕達はビバーク中の遭難者を捜索してるんじゃないぞ!」 緋色が叫んだ。
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