〈4〉命懸けの推理ショー

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「場所の特定に手間取ってるんじゃないか」 「ダミーになってる教団関係の施設から片っ端から当たるべきだよ。公安で泳がせている信者や団体があって、それで揉めてるんじゃないのかな…組織っていうのは、いつもそうだ」 緋色が苛立ちを滲ませた。 「君、だんだん紅森刑事に似てきたね」 緋色のスマホが鳴った。 「紅森さんからだ。昨日、聖帝永和大付属病院の職員を名乗る人物宛にプリザーブドフラワーが大量に納品されている。シンポジウム用、とのことだが職員名ともども架空のものだった。これから病院と大学施設を捜索するそうだ」 「大学か。確かに成田有理に所縁(ゆかり)はあるが。こいつが成田にこだわる理由がわからないな。それに、やみくもに探すったって広いぞ?理工学系の施設かもしれないし」 「我々はどうします?応援に向かいますか?」 「いや。舞玖の言った病院に向かおうと思う。カイは?」 「僕はここで降りる」 「おい、一人でか!?」 パソコンを片手に、カイは車を降りた。 「大丈夫。これは僕の戦いだ。緋色、早く偉くなってよ。…日本に来てわかったことの一つ。君がいる『組織』ってやつは、僕にはきっと耐えられないだろう」 車が走り去ると、カイは手ぶらで目の前の建物に向かって行った…… もう一つのアパート。闇に黒くうずくまる「臥龍荘」に。
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