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火の手が赤々と燃える一階とは反対に、。二階は巨大な墓石のように黒く重く、闇に沈んでいる。
他に住民はいないのか?
いや……まさか!
カイは、建物から漏れてくる煙を吸わないようにオーバーシャツを脱いで顔に巻く。建物中央の階段を駆け上がる。踊り場から数段上がったところで硬い平面のような物で思いきり頭を殴られた。反動で踊り場に転がり落ちる。
「痛っ!?くそっ!!」
目を見開くと天井が見えた。鳳雛荘と同様、臥龍荘も階段を昇りきったところに二階の二部屋に通じる通路がある…いや、あったはずだった。
しかし、長身のカイが思いっきり頭を打ち付けた場所は有り得ない場所にあるコンクリートの天井。つまり階段がコンクリートの床で塞がれている。
「よくもやってくれたな!僕の取り柄、頭しかないのに!!アトラクションかウィンチェスターハウスでも作る気かよっ!」
(…愛莉は…この中に!?)
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