〈3〉凍える姫、眠れる龍

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ガラス越しに赤いランプが光っている。カイの見せてくれた、カルトのシンボルマークの目玉がこちらを見ている。 (監視カメラ…?) 闇の中に白い霧が漂う。あたしの周りには白い百合、白い薔薇、白いマーガレット、…白い花、花、花。 美しいだけでまるで生気のない花たち…。 あたしの閉じ込められているのは、巨大なガラスの棺。 …まるで、白雪姫だ。 小さい頃、カイの家の庭で真似して遊んだことがある。だけど、こんなホラーなのはごめんだ。 どこまでが現実でどこからが夢なのか、あたしにもわからない。 寒くて苦しくて、また気を失ってしまいそうだ。…眠ったら、こんどこそ死んでしまうのかもしれない。 (どうして………?) 頬を伝う涙が温かい…あたしは、まだ生きている。 諦めたくない、助かりたい、帰りたい、 せっかく…、カイにまた会えたのに。
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