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別に・・・と答えてふと前を見ると、俯き酒も飲まず料理にも手をつけていない女が目に付いた。
他の女共とは違って、服装も髪型も違う。
それになんだ・・・誰も見ていない・・・いや・・・まさか・・・。
「雄介」
「んー?」
「あれは誰だ?」
「どれ?」
「あの端っこに座ってる女だ・・・」
「あー?そんな女の子いな・・・い・・・って・・・おい・・・」
雄介は僕をよく知っている。
普通の人では見えないモノを見ることだって知ってる。
だから・・・
「悪い・・・帰る」
「ああ。さっさと行け」
理解してくれる。
椅子から立ち上がるとゾクリとした感覚。
いつもやってる気がつかないフリも見ないフリも、なんで今日に限って・・・
「おい、恭平?」
なんで今日に限って見てしまうんだ!
「なにしてんだ恭平!?早く行け!!」
雄介の声が聞こえたのと同時に走って店を出る。
ゾクゾクとした感覚と、なんとも言えない恐怖感が僕を走らせる。
アパートまで行けば助かると!
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