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「カザンがぼくを評価してくれるのは、ありがたいよ。だけど、それならなおのこと全力で闘わなきゃいけない。カザンはともかく五王の一族にこれ以上日乃元を好きにさせるわけにはいかない。そのためにはカザンを止めるしかないんだ。それが幼馴染みとしての礼儀だ」  サイコも進駐官養成高校の生徒で、軍人の家の娘だった。 「わかってる。タツオにもお兄ちゃんにも無事でいて欲しいけど、手を抜いて欲しい訳じゃない。正々堂々と闘って、お兄ちゃんの目を覚まさせて。わたしも五王重工が支配する進駐軍なんて見たくない」  サイコの同じ危機感を抱いているようだった。タツオは幼馴染みをなぐさめるために、無理やり笑顔をつくった。 「今晩にはすべてが終わって、食堂で文化祭の打ち上げができたらいいな」
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