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 本心でそう願っていた。身体(からだ)中に湿布と包帯を巻いて、みなで乾杯して笑うのだ。普通の高校の後夜祭のように。フォークダンスでもしながら好きな女子の順番が回ってくるのを待つ。 だが、ここは東島(とうとう)進駐官養成高校だった。決してそんな甘口の青春物語にはならないことは、ふたりともよく知っていた。カザンはテルとタツオを再起不能になるほど叩きのめすと公言している。あの男にはそれだけの理由と実力があるのだ。 「そうだね。そうしたら、わたしがタツオに包帯巻いてあげるね」  タツオは笑って返事をした。 「ああ、頼む。あまり痛くないようにね」  なにかを思いついたようにサイコが口を開いた。 「あっ、お兄ちゃんがもうひと言いっていた。須佐乃男にも進化型があるらしいよ。今、五王重工のなんていったっけ? 須佐乃男を造ってるところ」
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