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ヴィタは眉間にシワを寄せて言った。
「一緒に暮らしだしてからデートが減っていったわ。もうここ数か月どこにもデートに行っていないじゃない」
驚いたマイザーは言い返した。
「したじゃないか。先週！ 覚えてないのかい？ 食事に行った。君も美味しいと言ってた」
うんざりしたようにヴィタは言った。
「あれはデートじゃないわ。カウンターで一緒に焼きフクロウを食べただけよ」
マイザーは言った。
「僕はあれをデートだと思ってた。君は違ったんだね。僕は楽しかった。でも君は違ったんだ。そのことがショックだよ」
ヴィタは苛立ったように言い返す。
「一緒にいてもあなたはずっとハンディフォンでゲームしてたじゃない。楽しかったのはゲームでしょう？ 友達の“スー”も言ってたわ。火星人はゲーム好きが多いから気をつけてって」
マイザーは言った。
「ずっとじゃないよ。食事が出てくるまでの間だけだ。食事が始まってからはゲームなんてしてない」
ヴィタは言った。
「そうね。食べるまではゲーム。食べたら店を出て家に帰ったわ。ただそれだけよ。デートじゃない。デートって言ったらあの初めて食事に行った時のようなことを言うのよ。ビストロコスモに行った時みたいなね。あれがデートだわ」
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