79人が本棚に入れています
本棚に追加
マイザーは呆れたように言った。
「あんなところ毎度毎度行ってられないよ。僕は君と一緒ならどこでも楽しい。どうして金星人はそう思えないんだ? 意味がわからない」
またシンとした。外の音がやたらと聞こえる。隣の宇宙船の住人の笑い声が聞こえた。
ヴィタは言った。
「もう終わりね」
苛立ったマイザーは言った。
「君が終わりにしたいなら好きにすればいい」
それだけ言ってマイザーは自分の書斎に帰ってしまった。
残されたヴィタは座り込み涙を流す。静かに。
しばらく泣いた後。ヴィタは書斎の前をそっと通り過ぎて寝室に行った。
そして大きなかばんに荷物を詰めだした。
2人で買った宇宙服。可愛いと褒められた髪飾り。
どんどんかばんに放り込んでいった。
最初のコメントを投稿しよう!