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「僕と付き合ってくれませんか?」
夜のひと気のない広場。金星と火星の間にある宇宙ステーション。ベンチに並んで座ったマイザーはヴィタに言った。
マイザーの手には可愛い宇宙クラゲのぬいぐるみ。
ヴィタは手で自分の顔をおおって興奮したように言った。
「もちろんよ! マイザー。やっと言ってくれたのね」
マイザーは照れ臭そうに笑う。
ヴィタは金色の眉を下げて言った。
「私不安だったの。半年の間、ずっと何も言ってくれないからあなたはそんなつもりないんじゃないかって」
マイザーが言った。
「ごめんね。断られたらどうしようと思って言い出せなかった。好きなんだ。ヴィタのことが大好きだ」
「マイザー……」
ヴィタの真っ白な頬にわずかに赤みがさす。
にっこりと笑ってヴィタは言った。
「私もあなたが好き。すごく好き」
マイザーがそっとヴィタを抱き寄せる。
ヴィタは少し緊張しながらマイザーの腕に身をまかせた。
ヴィタを抱きしめてマイザーは言った。
「ありがとう。ずっと一緒にいよう」
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