4年半前

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マイザーの腕の中でヴィタはうなずいた。 あたりは静かで宇宙虫の鳴く声と2人の心臓の音しか聞こえないくらいだった。 マイザーは言った。 「少し歩かない? 灯りのないところまで行って星を見よう」 ヴィタが驚いたように言った。 「私も今同じことを思っていたの」 ヴィタがマイザーを見つめ、マイザーもヴィタを見つめる。 青い瞳と黒い瞳がお互いを映し合う。 そして恥ずかしそうに同じタイミングで笑った。 ベンチから立って2人は手を繋いだ。ヴィタの細い手とマイザーの分厚い手。 並んで2人は歩き出した。 ヴィタは少し背の高いマイザーを見上げて言った。 「私、今日の夜のことはずっと忘れないわ」 マイザーは優しく微笑んで言った。 「僕も今同じこと思ってた」
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