get bored with each other

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夕食後。金星人のヴィタが火星人のマイザーに言った。 「これでいいと思ってるの? 私もう耐えられない。金星に帰ります」 リラックスしてテレビを見ていたマイザーは驚いた。真っ黒な瞳をパチクリさせてヴィタを見る。 ヴィタは真っ白な眉間にシワを寄せて怒っていた。青い瞳にはうっすら涙も浮かんでいる。 マイザーは信じられないといった様子でヴィタに尋ねた。 「ヴィタ。どうして急に? 僕たちすごく上手くいってるじゃないか。何の問題もない」 ヴィタはテーブルを叩いて言った。 「問題しか無いわ。けっきょく私たちは違う星の生物同士。金星人と火星人。わかりあえるわけがなかったのよ」 マイザーは困った顔で言った。 「なんなんだよいきなり。こっちは仕事で疲れてるんだ。ヴィタはいつもそうだ。こっちの都合はおかまいなし。言いたい時に言いたいことをわめき散らす。大人になってくれよ」
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