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6時。マイザーは急いで帰宅した。いつもより1時間も早い。マイザーの手には大きな花束。
マイザーが宇宙ハウスのドアを開ける。するとふんわりと食欲をそそるいい匂いがした。
マイザーは思った。ヴィタは機嫌を直して料理をしている、と。
マイザーは中に入った。そして歩きながら言った。
「ヴィタ―。ただいま。いい匂いだねー。何作ってるの?」
会話が無いと言われたので会話をするようにも気をつける。
マイザーは電気をつけてリビングルームに入った。
「ヴィタ?」
シンとして物音1つしない。キッチンを覗く。するとそこには完成したタヌキのシチューがあるだけだった。
蓋を開けると湯気が立ち込める。美味しい匂いが鼻をくすぐる。
マイザーはキッチンを出た。
「ヴィタ? いないの?」
マイザーは寝室に行った。もしかしたら昨日あまり眠れなくて寝不足でもう眠っているのかもしれない、と。
「ヴィーター?」
そっと寝室のドアを開ける。しかしここにもヴィタはいなかった。
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