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喫茶店についたマイザーはヴィタをソファ側の席にエスコートした。そしてメニューを広げて聞いた。
「何飲みますか?」
ヴィタがメニューに顔を寄せる。唇がわずかに尖っている。考えている顔。
しばらくしてヴィタが言った。
「銀河ソーダにします」
「OK」
マイザーは店員に銀河ソーダとビッグバンフロートを注文した。
ヴィタは笑ってマイザーに言った。
「ありがとうございます」
マイザーも微笑む。
マイザーは腕まくりをした。マイザーは考えていた。“これからどうやって話を盛り上げてモバイルフォンの番号交換まで持ち込むか“
もっと言えば“どうやって外の食事に連れ出すか“
マイザーはヴィタを楽しませるため、頭の中の引き出しを片っ端から開けて奮闘した。
ヴィタは次々に面白い話を聞かせてくれる火星人のマイザーを好ましく思った。
マイザーの高くてしゅっとした鼻。袖から覗くたくましい腕。
金星人にはないところにヴィタは惹かれていった。
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