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「先生、……お待たせしました。」
肘掛け椅子を回転させて、先生が振り返った。
眉を上げ、少し笑ったように見える。
カップ麺を胸から置こうとすると、そのまま膝まづくように言われた。
先生の脚の前に、ぺたんと座る。
見下ろされる形になる。
先生はペンを置き、人差し指をラーメンに埋めた。
そのまま、ぬちゃぬちゃと掻き回す。
汁が跳ねて、私の頬を汚した。
のびてしまった麺は器の縁までせりあがっている。
こんなものは食べてもらえない。
そう思うと目頭が熱くなった。
「悪くない。
が、温いな」
先生の指が私の唇を割って侵入してきた。
「……通常は、三分間。
お湯入れ十秒は、ロリコン
十分以上が
熟女ラーメン、だ」
先生は引き抜いた指を舐め上げて言った。
そのいやらしさにクラクラする。
「舌先で潰せるほど柔らかい方がいい。
でも、熱くないと駄目だ」
先生は、意地悪だ。
まだオアズケをする。
ドSに違いない。
「他人から見れば滑稽だろうが、青春の味というのは忘れがたいものでね 」
ふわりとかけられたシャツは、火照った体に冷たかった。
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