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彼は、私の小さいころからの親友。
父親に連れられてお互いの宮(みや)を行き来するうちに仲良くなった。
神と閻魔大王は人の生というものを扱う上では同じ境遇。
交流がないと思われがちですが、案外、今の人間界より交流は盛んなのです。
「で?どうするんだ?帳簿にはトラックに飛び込んで死んだ。とあるが?」
「そうですね……とりあず、行きましょうか」
「えっ、ちょ、ちょっと!トラックに飛び込んだ?何だよそれ!?」
覚えのないことを言われてたけしは戸惑っている様子。
それはそうだろう。
この帳簿には、本人が意図しないで死に、どうしたらいいのか分からない魂が書き込まれるのだから。
その真実を見届け、最終的にどうするのか決めるのが私と緑深に課せられた責務。
戸惑っているたけしに静かにこの帳簿の説明を始めた。
「この帳簿は神間閻帳と言って、500年以上前の神と閻魔大王が秘密裏に作成したものです。これには、どこに行けばいいのかどうしてここにいるのかも分からない魂の名前が書き込まれます」
「これは、天界と地獄界に一冊しかない帳簿で代々、神と閻魔大王になるものにしか伝えられていないものだ。天界の者、地獄の者には全く知られていない帳簿なんだ」
私の話に続けるかのように緑深はたけしに説明をしている。
たけしは信じられないといった感じで話を聞いているようだったが、次第に聞き耳を立てて食い入るように聞いていた。
そういうときの魂は、赤く色を変え小刻みに震える。
そういう魂を、私は見るのが嬉しい。緑深もそれを見るのが嬉しくていつも私の代わりに最後まで話をしてくれる。
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