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なんなのよ、もう……。
ふーっと溜め息を吐くと、まりこちゃんがスッと身体を寄せて耳打ちする。
「時間を持て余すけど、定時になったらすぐ会社を出た方がいいと思いますよ。
何かあったら、わたしが残業しますから」
「ありがと。でも、大丈夫だから」
よくよく考えたら、普通のデートをするだけだし。
旅行やコンサートみたいにチケットが絡むものでもない。
多少時間に遅れても、砂川さんなら笑って許してくれると思うんだけど。
「応援してますから」
「う、うん。ありがと」
そこまで言ってくれるなら、キリがいいところで仕事を終えて、あとはまりこちゃんにお願いしようかな。
「お先に失礼します」
課のみんなに聞こえるように挨拶をすると、更衣室に向かった。
手早く着替えて、ロッカーからバッグを取り出す。
着替えや化粧品が入ったバッグは、まるで小旅行にでも行くみたいだ。
今日、砂川さんの部屋にお泊りするんだよね。
いろいろ想像すると、なんとも言えない溜め息が出てしまう。
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