13667人が本棚に入れています
本棚に追加
地下鉄を降りると、また手を繋いだ。
「あ、そこのコンビニに寄ってもいい?」
「はい。何を買うんですか?」
「お茶と明日の朝ごはん」
……朝ごはん。
一緒に朝ご飯、食べるんだ。
そうだよね。別に特別なことじゃない。
…………。
お酒を飲んでふわふわした気分が、その砂川さんの言葉で一気に冷めてしまった。
「急に黙って、どうしたの?」
「えっ?あ、あのプリンも買っていいですか?」
「いいよ。好きなだけ買ってあげる」
砂川さんは、楽しそうにクスクスと笑って、コンビニに入っていった。
さすがに、その手前で繋いでいた手は離されたけど。
わたしは、刻一刻と迫っているそのときに、緊張で胸が張り裂けそうになっていた。
最初のコメントを投稿しよう!