13617人が本棚に入れています
本棚に追加
/596ページ
朝食はトーストにブルーベリージャム、それから、薄めのコーヒーと決めている。
自分で作ったお弁当をバッグに入れて、玄関の姿見で全身をチェックすると
「よしっ」と気合を入れて玄関のドアを開けた。
今日も一日頑張ろう。
毎日決められた時間に家を出て、地下鉄で会社に向かう。
ここ数年は、通勤途中でコウくんに会えるかどうかで、一日の運勢を占っていたけれど。
それも、もう終わり。
いつもより少し早めに自分の席について、パソコンの電源を入れると、仕事の準備を始めた。
今日もトラブルなく過ごせますように。そんなことを呟きながら、買ってきたカフェラテにストローを差し込んだ。
「おはようございます」
まりこちゃんが入ってくると、事務所がパッと明るくなる。
スラリとしたスタイルに大きな瞳。ビューラー要らずの長い睫毛。
女のわたしでも、つい目で追ってしまうほど。
今日も綺麗だなと、見惚れてしまう。
「おはよう、まりこちゃん」
挨拶をすると、まりこちゃんの後ろから不意に現れたのは……。
最初のコメントを投稿しよう!