第2章

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    朝食はトーストにブルーベリージャム、それから、薄めのコーヒーと決めている。 自分で作ったお弁当をバッグに入れて、玄関の姿見で全身をチェックすると 「よしっ」と気合を入れて玄関のドアを開けた。 今日も一日頑張ろう。 毎日決められた時間に家を出て、地下鉄で会社に向かう。 ここ数年は、通勤途中でコウくんに会えるかどうかで、一日の運勢を占っていたけれど。 それも、もう終わり。 いつもより少し早めに自分の席について、パソコンの電源を入れると、仕事の準備を始めた。 今日もトラブルなく過ごせますように。そんなことを呟きながら、買ってきたカフェラテにストローを差し込んだ。 「おはようございます」 まりこちゃんが入ってくると、事務所がパッと明るくなる。 スラリとしたスタイルに大きな瞳。ビューラー要らずの長い睫毛。 女のわたしでも、つい目で追ってしまうほど。 今日も綺麗だなと、見惚れてしまう。 「おはよう、まりこちゃん」 挨拶をすると、まりこちゃんの後ろから不意に現れたのは……。
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