第2章

3/43
13616人が本棚に入れています
本棚に追加
/596ページ
      「おはよう」 「……おはようございます」 コウくんと目が合いそうになって、慌てて目を伏せる。 あれから、二週間が過ぎた。 仕事以外で会話を交わすことが極端に減ったのは、わたしがコウくんを避けているだけじゃない。 コウくんもわたしから距離を置こうとしているのだ。 顔を見れば、胸が苦しくなる。 嫌いになったわけじゃない。 今だって、好きで堪らないけれど。 もう『妹』でも居られなくなってしまったから。 わたしのこの想いは封印するしかない。 朝のミーティングを終えて、まりこちゃんと業務を分担する。 わたし達の営業1課は課長のコウくん含め、営業4人とアシスタント2人の6人で編成されている。 営業に固定のアシスタントをつけていないのは、臨機応変に対応するためだ。
/596ページ

最初のコメントを投稿しよう!