第2章

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  「備品のチェックは、わたしが行くから、サンプルの出荷は、まりこちゃん、お願い」 「はい。わかりました」 出荷先リストをまりこちゃんに手渡して席を立った。 面倒臭い仕事は、早めに終わらせたい。 朝一番だと、問い合わせの電話もそんなにかかってこないはず。 「上の倉庫に行って来るから、ちょっと席外すね」 「わかりました」 総務課から鍵をもらって、倉庫に向かった。 備品のチェックなんて、10分もあれば十分だ。 埃っぽい倉庫には、あまり行きたくないけれど、こればっかりは仕方がない。 この前発注したカタログって、どれぐらい残っているんだろう。 解錠すると、ドアを開けたままで中に入った。 照明を点けて奥に進む。 途端に淀んだ空気にくしゃみが止まらなくなった。 「クシュンっ」 早く終わらせて席に戻ろう。
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