第1章

5/39
前へ
/596ページ
次へ
   わたし、小泉優奈の片思い暦は長い。 小学校一年生のときにコウくん(一ノ瀬弘樹・コウキ)と出会ってから、今までずっとコウくんに片思いをしているのだ。 もう何年になるんだろう。 考えるのもイヤになる。 自分の気持ちにケリをつけて、新しい恋に踏み出そうと高校卒業と同時に告白したこともあった。 コウくんの返事はわかっていたし、気まずくなっても仕方がないと思った。 いや、むしろ、気まずくなって、コウくんがわたしのことを避けてくれればいい。 コウくんの顔を見なければ、きっと忘れられると思ったから。 それなのに。
/596ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13667人が本棚に入れています
本棚に追加