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「あった」
お目当ての充電器を手に、急いでエレベーターで一階に向かう。
少し話せたらいいな。
なんて考えているあたり重症なんだと思う。
一階に着くと、コウくんは自販機に背を向けて立っていた。
長身で清潔感溢れる佇まいのコウくん。
なんでもないその立ち姿でさえ、カッコイイと思ってしまう自分に呆れてしまう。
「課長、これ」
「悪いな」
近寄って充電器を差し出すと、指先がコウくんの手に僅かに触れた。
ドキッ。
高鳴る鼓動に動揺して、カッと頬が赤くなる。
お、落ち着け、わたし。
指先が触れただけじゃない。
誤魔化すようにフーッと小さく息を吐くと、コウくんがわたしの頭上で笑ったような気がした。
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