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短大を出て社会人になっても、コウくんのわたしを見る目は相変わらずだ。
妹のまま。
そして、今ではそれに『部下』というおまけまでついてしまった。
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
コウくんの背中を見送って、事務所に戻ろうと踵を返したときだった。
「優奈」
コウくんが、わたしの名前を呼んだ。
コウくんが会社でわたしの名前を呼び捨てにするのは珍しい。
「なに?」
ドキドキしながら振り向くと
「金曜、大丈夫だよな?」
そんな言葉が返ってきた。
「……うん。大丈夫」
「今回は期待してていいから」
自信満々にそんなことを言うコウくん。
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