scene1 「逃げんなよ。」

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「いらっしゃ…いませっ!」 コンビニの店員が、俺を見るなり、一瞬顔を背けたのが分かった。 まあ、元より上等な顔じゃないが…初めて見た奴はビビるだろ。 なんせ、顔の半分が火傷を負っていて、俺はそれを隠す気がない。 俺は缶ビールと、つまみになりそうな物を買い、作り笑顔の店員に金を払った。 「あ…そうだ。」 コンビニにやって来た本来の目的。 今日、そろそろ発売日だったよな。 俺は雑誌コーナーから、目当ての品を取ると、レジに持っていった。 店員の顔から、すでに笑顔が消えていた。 当然だな、俺みたいな奴が、まさか買うとは思わないだろ。 表紙に大きな文字で書いてある、今月の特集の文句。 『恋する乙女の守護星占い!意中の彼との相性は!?』
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